大学院

金沢大学で神経心理学、医療心理学、臨床認知科学、臨床心理学等の専門的研究を行ないたい方および専門的教育・トレーニングを受けたい方は下記の大学院へ入っていただくことがよろしいかと思います。

<「専門家への道」モデルコース>

1.心理学等の学士取得→人間社会環境研究科人文学専攻認知科学分野修士課程(公認心理師養成プログラムの選択も可能)→医薬保健学総合研究科医学専攻(脳医科学)臨床認知科学分野博士課程→研究者ないしは臨床家等

2.心理学等の学士取得→新学術創成研究科融合共同科学専攻臨床神経心理学分野博士前期課程→同博士後期課程→研究者ないしは臨床家等

 

人間社会環境研究科人文学専攻学際総合型プログラム認知科学分野(修士課程)

医薬保健学総合研究科医学専攻臨床認知科学分野(博士課程)

新学術創成研究科融合共同科学専攻臨床神経心理学分野(博士前期課程・後期課程)

上記すべての大学院において、当研究室では、臨床神経心理学、医療心理学、臨床心理学といった臨床関連の研究とその基礎研究として認知心理学や認知脳科学の研究も行なうことが可能です。

臨床神経心理学は、心理学の中に位置づけるとすると、基礎心理学と臨床心理学双方にまたがる領域といえます。すなわち、科学的なアプローチとともに、対象は臨床医学に関わる分野であるので、個人へのアプローチをも重視します。したがって、4年制大学において、基礎心理学をある程度学んだことのある人、ないしは、カウンセリング等の臨床心理学の基礎をある程度学んだことのある人を当教室では歓迎いたします。また、学部の辺縁領域としては、言語学、教育心理学、人間工学、リハビリテーション学、看護学、保健学、健康科学等を学部で学んでこられた方も相談に応じえます。博士課程においては、この他、認知神経科学や臨床神経心理学について深めるための様々な専門の基礎を修士課程までに習得されている人が可能です。

修士課程の認知科学分野では修士(学術)、博士課程の臨床認知科学分野では博士(医学)を修了時、取得することになります。

公認心理師養成プログラム 

なお、金沢大学大学院修士課程については、国家資格となる公認心理師のためのカリキュラムはまもなく開始予定です。金沢大学学士課程の公認心理師カリキュラムは令和1年度から開始されています。

公認心理師養成プログラム大学院修士課程にご関心ある方は本研究室教授にご連絡ください。

公認心理師養成プログラムのオンライン説明会の開催 2022年5月21日(土)10:00〜11:00

融合科学大学院に入られた場合は、博士前期課程では修士(融合科学)、博士後期課程では博士(融合科学)を修了時、取得することになります。

卓越大学院プログラム 上記いずれかの博士入学予定者は令和2年4月よりはじまるプログラムに応募することができます。経済的支援がここでは充実しています。

次世代精鋭人材創発プロジェクトに金沢大学は採択され(2021年9月現在)、120名の博士課程大学院生の経済支援があることになりました。

これまでの大学院生の研究テーマ

<修論論文>

平成16年度修士課程修了

「単語記憶課題施行中の前頭前野の血流動態―近赤外線分光法を用いた検討―」

「統合失調症における自我障害尺度の開発」

平成17年度修士課程修了

「統合失調症に対する認知リハビリテーションの効果研究」

「統合失調症患者と健常者における概念構造の比較検討」

「日本版神経心理学検査RBANSの開発」

「高校生における妄想的観念に関する研究」

「機能的脳画像を用いた社会的認知機能の研究」

「気分障害における表情認知の研究」

「頚動脈高度狭窄症における認知機能障害」

「アルツハイマー病患者の神経心理学的機能―横断的および縦断的研究」

平成18年度修士課程修了

「被注察感および妄想傾向が視線感知に及ぼす影響」

平成19年度修士課程修了

「諺テストによる統合失調症患者の思考障害評価法の開発」

「自己意識的情動の生起がモラル意識に与える影響―近赤外線分光法による検討―」

「メタ記憶が記憶方略に及ぼす影響-NIRSによる脳活動との関連-」

平成20年度修士課程修了

「自閉症スペクトラム障害における社会的認知と前頭葉機能の発達の関連性」

「初期アルツハイマー患者における潜在・顕在記憶機能の研究」

平成22年度修士課程修了

「統合失調症患者における運転能力と視覚的情報処理の関連性―運転シミュレーターを用いた研究」

「系列動作課題遂行時の脳機能―近赤外分光法による検討」

平成23年度修士課程修了

「Developmental trajectories of hippocampus and amygdale from infancy to early adulthood in typically developing healthy individuals」

「アルツハイマー病および軽度認知障害における脳形態、脳機能、神経心理機能の関連―VSRAD, eZISと簡易神経心理検査を用いてー」

平成24年度修士課程修了

「表情刺激を用いた認知的葛藤状態における脳活動―近赤外分光法(NIRS)を用いた検討―」

「Normal development of the corpus callosum: Morphometric analysis using MRI」

平成25年度修士課程修了

「統合失調症への認知機能改善療法へ効果研究―代償的方略に着目したグループ・アプローチ」

平成26年度修士課程修了

「成人先天性心疾患患者の心理的特徴の検討」

平成27年度修士課程修了

「統合失調症患者における記憶の組織化と前頭前野の脳活動ー近赤外線分光法(NIRS)による検討ー」

「MRIによる前頭葉脳回化の発達の検討」

平成29年度修士課程修了

「統合失調症における認知機能の主観評価と客観評価」

令和3年度修士課程修了

「統合失調型パーソナリティ傾向と認知機能及び心理的特徴との関連について」

<博士論文>
平成12年度博士取得

「Age-related volumetric changes of brain gray and white matter in healthy infants and children」

平成14年度博士取得

「Gray matter features of schizotypal disorder patients exhibiting the schizophrenia-related code types of the Minnesota Multiphasic Personality Inventory.」

平成16年度博士取得

「Volume reduction of the amygdala in patients with schizophrenia: a magnetic resonance imaging study.」

平成21年度博士取得

「Development of a Self-disturbance Scale from the Minnesota Multiphasic Personality Inventory.」

平成24年度博士取得

「Developmental Trajectories of the Fronto-Tempotal Lobes from Infancy to early Adulthood in Healthy Individuals.」

平成26年度博士取得

「Normal development from Infancy to early Adulthood : a diffusion tensor imaging study.」

「Neuropsychological characteristics and their assciation with high-level functional capacity in Parkinson’s disease.」

令和2年度博士取得

「極低出生体重児における乳幼児期の発達特徴―Bayley乳幼児発達検査による検討ー」

令和5年度博士取得

「The effect of damage to the white matter network and premorbid intellectual ability on postoperative verbal short-term memory and functional outcome in patients with brain lesions.」

「The relationship between cognitive reserve focused on leisure experiences and cognitive functions in bipolar patients.」

入試についての問い合わせ先

修士課程:〒920-1192 金沢市角間町  金沢大学人間社会系事務部学生課学務係

TEL 076(264)5601    E-mail:n-jkgaku@adm.kanazawa-u.ac.jp

 

博士課程:医薬保健系事務部学生課医学学務係

TEL 076(265)2121    E-mail:t-igaku1@adm.kanazawa-u.ac.jp

 

金沢大学 学生部学務課大学院係(融合大学院関連学務)

〒920-1192 石川県金沢市角間町
Tel:(076)264-5971
Email:s-yugo@adm.kanazawa-u.ac.jp

なお、当研究室での大学院受験希望者は、必ず、事前に、お問い合わせください。

大学院生のメンタルヘルス

最近、2つの科学雑誌「Nature」および「Science」が大学院生のメンタルヘルスについての記事を掲載しています。

 

Evans et al「Evidence for a mental health crisis in graduate education」Nature Biotechnology volume 36, pages 282–284 (2018) https://www.nature.com/articles/nbt.4089

⇒この論文を受けた記事 「Time to talk about why so many postgrads have poor mental health」Nature, 556, 5 (2018)  https://www.nature.com/articles/d41586-018-04023-5

2279名の大学院生(91.5%はUSAの学生)への調査の結果、一般人よりも不安・うつなどのメンタルヘルスの問題を感じやすい。

 

Levecque et al 「Work organization and mental health problems in PhD students」 Research Policy

Volume 46, Issue 4, Pages 868-879 (2017) http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048733317300422

⇒この論文を受けた記事 Pain「Ph.D. students face significant mental health challenges」 Science, April 4 (2017)

http://www.sciencemag.org/careers/2017/04/phd-students-face-significant-mental-health-challenges
3659名のベルギーの大学院生への調査の結果、3分の1の学生がメンタルヘルスの問題を経験したことがある。

 

Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2018.180324

原文:Nature (2017-10-25) | doi: 10.1038/nj7677-549a | A love-hurt relationship

Chris Woolston

Natureが世界各国の5700人以上の博士課程学生を対象に行った調査

 

これらの調査からもうかがえることは、世界共通して(おそらく日本においても)、大学院生の研究を成就する道のりにおいて、さまざまな揺れ動きや困難やストレスを感じる場合があると思われます。大学院生を含めた研究者が優れた研究をするためには、心身ともにまず健康であることが大切といえます。

 

したがって、当研究室においても、研究室員全員の健康に常に留意しながら、研究活動を行なってゆきたいと思います。なお、金沢大学全体においても、そのような体制が整備されており、大学のシステムをよく知って適宜利用していただけるといいように思います。

 

メンタルヘルスの支援には3つのレベルがあります。

ひとつめは、日常的にちょっとしたことでも何か心配事などがあった時に、研究室内の風通しをよくして、お互いに気づける関係を普段からつくるようにしましょう。少なくとも毎週1回は全員が集まる研究室のミーテイングをして、最近の状況をそれぞれわかちあいましょう。また、ふだんから何かきづくことがあれば声掛けをし、困ったことがあれば助け合い、安心できる関係づくりを心がけましょう。なお、研究室の親睦を図るために、折に触れて、みんなで懇親会や集いや時には楽しい行事などもいたしましょう。みなさん、自由に思いを話せる場があるといいですね。

 

大事なこととして、研究室内のコミュニケーションをよくしましょう。必要なことは、連絡網をつくり、教員、研究員、大学院生含めて、必ず、情報がみんなに伝わるようにしましょう。また、個別にじっくり指導教員(ないしは他の教員)と話したい場合は、時間をつくりますので、アポイントメントを随時とりましょう。

メンタルヘルスの観点からは、このひとつめのレベルのことがうまくいっていると、予防的に解決できることが多いと思います。

 

ふたつめは、メンタルヘルスの観点からみて、学内の支援を利用する方法です。

研究室内で万が一話しにくいことがあれば、アドバイス教員に話すことができます。これは、金沢大学全体でつくられた窓口で、指導教員以外の先生が各院生ひとりひとりに入学時から修了時までひとりつけていただけますので、相談することができます。また、定期的に困りごとなどなんでも話してみることもできます。また、なんでも相談室(下記の金沢大学のメンタルヘルス対策参照)におとづれて、気軽になんでも相談することもできます。奨学金のことや経済的なことに関して学務に問い合わせることもできます。

 

3つめは、深刻なことが生じたり、メンタルヘルスについての専門的な支援を必要な時の方法です。この場合、保健管理センターにまず相談するのがいいように思います。抵抗がある場合は、研究室員、指導教員、副指導教員、アドバイス教員、なんでも相談室、学務窓口など行きやすいところはどこでも可能です。

 

なお、留学生の場合は留学生センター、発達障害等がある学生さんは障害学生支援室に相談することも可能です(下記金沢大学におけるメンタルヘルス対策を参照)。

 

<その他のこと>

*研究について、金沢大学には、心理学の教員が国際基幹教育院だけでなく、人間社会学域や医薬保健学域に複数おられます。学内ネットワークがありますので、視野を広めるために、いろいろな先生に学業上のコンタクトをとることも可能と思います。万が一行き詰った時には、いろいろな意見をきいてみるのもひとつかもしれません。

 

*経済的なことについて、入学前に、授業料や生活費等、経済的な見通しを自らもってこられることは大事です。奨学金制度などは学生課にご相談ください。博士課程の場合、日本学術振興会による特別研究員の制度https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_gaiyo.htmlに応募される方法があります。この制度は博士の学生を経済的に支援する良い制度ですが、競争がありますので、応募にあたって十分な準備が必要かと思います。

 

*大学院においては、何より大事なことは自ら研究を成し遂げたいという意志が大事です。研究というのは、修士論文ないしは博士論文に仕上げる道のりにおいて、大変なこともあるかもしれません。しかし、自分の意志や目標や希望がきちんとあれば、乗り越えられると思います。乗り越えたときの達成感を味わっていただけると幸いです。もしも、自身の意志がわからなくなったときは、遠慮なく指導教員や副指導教員ないしはアドバイス教員に随時相談しましょう。

 

以下にご参考までに金沢大学におけるメンタルヘルス対策を抜粋引用いたしました。

金沢大学におけるメンタルヘルス対策

学生サポートガイド